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  • 幹細胞再生医療について

再生医療とは

高度に医療が発達した現代でも、糖尿病、心臓病、脳卒中、高血圧、肥満、脂質異常症などの生活習慣病は増え続け、難病も数多く存在します。これらの病気は、完全に治すのが難しく、これまでは、薬で症状を抑えたり、和らげたりするだけの「対症治療」が中心でした。

再生医療は、細胞や組織を用いた治療方法であり、人間の持っている再生能力を最大限に高め、今まで治療困難であった疾患に対して新たなの道を開くものです。

幹細胞とは

わたしたちの体は、およそ60兆個の細胞からできていて、心臓をはじめとする臓器、骨、皮膚などは全て細胞が集ったものです。

それぞれの細胞には、筋肉や神経等の体の機能に応じて、役割が決まっています。ところが、決まった役割を持たずに、様々な細胞へと変化する可能性を持つ特殊な細胞があります。

それが「幹細胞」です。

「幹細胞」は、病気によって、本来の機能を果たせなくなった細胞や組織を修復や再生できる能力を持っています。この能力を最大限活用した治療方法が「幹細胞再生治療」です。

幹細胞の種類と特徴

  • 全能性幹細胞(受精卵)

どんな種類の細胞にもなれる能力を「全能性」といい、この能力を持っているのは受精直後から 約 2 週間後の「受精卵」だけです。全ての細胞になることができる、まさに「生命の源泉」です。

  • 多能性幹細胞(ES細胞)

ESとは、「EmbryonicStemCell」の略で、日本語では、「胚性幹細胞」といいます。

つまり、胚の内部細胞を用いて作られた幹細胞です。胚は、受精卵が数回分裂し、100個ほどの細胞の塊になったもので、この胚の内部にある細胞を取り出し培養したものがES細胞です。

ES細胞は、私たちの体を構成するすべての細胞になれる可能性があり、再生・移植医療への応用が期待され、多くの研究機関にて研究がすすめられています。しかし、受精卵の使用にあたり倫理的な問題がハードルになり実用化には困難な状況です。(人には未実施)

  • 多能性幹細胞(IPS細胞)

「induced Pluripotent StemCell」の略。現在のところ研究途上。

  • 体性幹細胞

体性幹細胞は、私たちのカラダの様々なところに存在する幹細胞です。

なかでも骨髄の中に存在する「間葉系幹細胞」は、筋肉や軟骨、神経などに分化する、いわゆる「多分化能」を持ち、間葉系幹細胞は、ES細胞やips細胞の様に、いろいろな細胞になることが可能なのです。

さらに近年の研究で、骨髄に存在する間葉系幹細胞と似た性質を持つ幹細胞が皮下脂肪内にも多く存在することがわか ってきました。これは、脂肪由来間葉系幹細胞といわれて、組織幹細胞の中で採取が簡単で、組織量も豊富に存在することから、現実的に幹細胞再生治療に活かせる治療細胞として注目され、その抽出培養技術の向上とともに、急速に実用化が進んでいます。

幹細胞の種類と特徴

幹細胞のもつ2つの能力

幹細胞と呼ばれるには、次の二つの能力が不可欠です。

一つは、皮膚、赤血球、血小板など、わたしたちのからだをつくるさまざまな細胞を作り出す能力(分化能)。

もう一つは自分とまったく同じ能力を持った細胞に分裂することができるという能力(自己複製能)です。

こうした「幹細胞」の性質を利用して、細胞そのものを薬として怪我や病気を治すのが「再生医療」なのです。

幹細胞のもつ2つの力

間葉系幹細胞治療の働き

間葉系幹細胞治療の働き

出典:Nature Immunology 15, 1009–1016 (2014) doi:10.1038/ni.3002

病気や怪我などをすると、体の中では組織が損傷し炎症が起こっている状態です。間葉系幹細胞(ESC)はその炎症部位に動員されます。

間葉系幹細胞には多分化能があるので、損傷した細胞を代替する機能的細胞に分化すると考えられます。

また間葉系幹細胞は、炎症症状を引き起こす原因因子に反応して、炎症の進行を調節する免疫調節因子を産生することによって微小環境を調製するのにも役立ちます。

間葉系幹細胞はまた、内皮細胞、線維芽細胞、および最も重要な損傷部位の祖先細胞などの大量の増殖因子を産生いします。これらの因子および細胞の協調作用は、血管新生、細胞外基質(ECM)のリモデリングおよび組織の祖先細胞の分化による組織修復を促進します。